2018年12月24日月曜日

やればできる!

この記事は、ケーシーエスキャロット Advent Calendar 2018 の23日目の記事になります。

やればできる!

今年のアドベントカレンダーは技術的なことに集中していたので、ちょっと脇道に逸れた投稿をしてみることにしました。(Qiita の意図からは外れているかもしれませんが、気にしないことにします)。「不可能への挑戦」のつもりで気合を入れて作業を始めてみたものの、実際にに手を動かしてみると「冬休みの工作」みたいなノリでした。出来上がったものを見てどう感じるかは、あなた次第です!

近所の100円ショップに小さな立方体の木片が2つセットになって売っていました。2つの立方体が重なっている様子を見て「あ。アレ作ってみよう!」と思い至り、急遽工作開始です。使ったのはこの木片2つと、彫刻刀一本。(と、絆創膏一枚...)。出来上がったのは以下のようなものです。
上の立方体には溝を掘り、下の立方体は突起を残して周りを削り落としました。そのふたつの立方体を組み合わせたのが上記の写真です。

他の2面が気になる方のために動画も用意しました。「不可能」と思う前に、実現方法を考えてみてください。
実はこれ、ただのパズルではありません。れっきとした建築技術。「組継(くみつぎ)」と呼ばれる、木材同士を接合する技法です。突起部分が長方形であれば単純に横のズレに強い形になり、これは「あられ組み」と呼ばれます。それをさらに発展させて、引っ張り方向に力を加え続けることで、より強力に接合させるのが「蟻継ぎ」です。突起の形が(写真のように)台形になっており、蟻の頭のような形なので蟻継ぎと呼ばれるようです。ポイントは、面白い形・カッコ良い形を追求したのではなく、実用性を追求していく中で考え出されたアイディアだという事です。実際、釘や接着剤を使わずに蟻継ぎのみで組み上がっている製品はいくつもみられます。

ところで、蟻継ぎは左右のズレに強いだけではなく、上下の緩みもなくすわけですが、前後にはスライドします。そうでなければ嵌められないので当たり前のようですが、前後にも動かないような蟻継ぎが実現できるとしたらどうでしょう。最高の強度になるのではないでしょうか?そんな思いを実現しようという意気込みが「4面すべてに蟻継を施す」というあり得ない発想を生みました。しかも、そのアイディアは、1728年に書かれた「匠家仕口雛形」という本にすでに記述されているのです。当時の建築技術の高さはもちろん、職人さんの飽くなき探究心に脱帽です。

人は「できない」と思った瞬間から考えることをやめてしまいます。実際に解決策があるとしても、「ない」と思ったら探さないので、見つかりません。まず「方法はある」と思って探し始める。そんな習慣が、きっといつか「ひらめき」を与えてくれるはず。

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